歩くほど健康になるのか

歩くことは健康によい、ということで、歩く距離や歩数を増やすほど健康になるという考えをする人は少なくありません。少なくない、というよりも、むしろ多いと言ったほうがよいかもしれません。何しろウォーキング大会(日本ウオーキング協会の関連ではウオーキング大会)では1日に10km、20kmどころか30km、50kmという長距離(超距離)の大会さえあるのですから。
以前に中之条研究の成果として1日に8000歩を歩き、そのうち2分間は強程度の早歩きをするのが健康寿命を伸ばす効果があると紹介しました。その記載に対して、メディア関係者から、「これ以上、歩いたら健康によくないという距離や歩数は出されているのか」という質問がありました。
中之条研究を報告するときに、成果ばかりが言われることもあり、同時に発表されていた「やりすぎはよくない」という報告はメディア的には面白くないのか、あまり受け入れなかったようで、発表されているのに知られてはいませんでした。
その研究報告では、65歳以上の人という条件はつけられていますが、1万2000歩以上の歩行は、足腰、関節への悪影響を与えたり、血管への悪影響を与える“可能性”があるとのことで、1万歩までの歩行がすすめられています。
1日に8000歩というのは“言うは易く”、数日は可能でも、毎日1か月も続けるとなると、当法人の歩くことを仕事としている人でも案外と大変なことです。