母子の栄養1 母乳の状態は母親の血液状態そのもの

母親の栄養状態は、子どもの栄養状態に大きな影響を与えます。この事実については、母乳栄養で語られることが多くて、母親が食べたものが母乳として子どもの栄養になるという認識が一般にはされているようです。

母乳の材料は、母親の血液です。血液が乳腺で母乳に作り変えられています。その事実から、母親が食べたものが血液の中身になり、その栄養バランスがよくないと母乳に含まれる栄養も偏りが生じるという考え方をされています。

母乳だけから栄養摂取をしている赤ちゃんの場合には、栄養摂取のほとんどを母乳に頼ることになり、母親の健康状態を左右する血液の状態が、そのまま赤ちゃんの栄養状態、健康状態に影響することになります。

血液状態について、よく“血液ドロドロ”“血液サラサラ”という表現がされますが、血液ドロドロは血液中の脂肪が多い状態を一般には示しています。この場合の脂肪は血流を低下させる動物性(畜肉)食品に多く含まれる飽和脂肪酸を指していて、血流を促進する植物性食品や魚類に多く含まれる不飽和脂肪酸が多い状態は血液サラサラと表現されます。

また、血液中の糖質(ブドウ糖)が多い血糖値が高い状態も、血液をドロドロにして血流を低下させる作用があります。

これ以外にも、血液中の活性酸素が増えることによって、脂肪が酸化して血流の低下や動脈硬化を起こしたり、食塩(ナトリウム)の摂取過剰による血圧上昇によって血流が低下することもあります。

血液の成分は、エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)、エネルギー代謝を高めるビタミン、ミネラルなどの成分が特に大きく影響をするだけに、食事の内容は少なくとも妊娠を意識したときから始める必要があるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕