母子の栄養11 粉ミルクで母乳を整えるという発想

成長のための栄養素が最も必要になるのは出産後の授乳期で、母乳には、この時期に必要な栄養素が含まれています。それは母親の栄養摂取が充分で、血流が盛んで、血液を母乳に変える乳腺の働きが正常であるという条件が整っている場合のことです。

母親の体内の栄養バランスがよい状態であるというのは、出産後のことだけではなくて、赤ちゃんが胎内で育っているときから重要になります。胎内で成長するためには、妊娠前からの栄養バランスも大切で、妊娠を意識した場合には若い女性にとって自分自身の栄養バランスは自分と子どもの健康を左右する重要なポイントとなります。

それにも関わらず、大切な20代に無知なダイエット、無理なダイエットを行い、また好きなものを中心に食べるというような食生活をして、受精から出産、そして健康な発育のための栄養摂取に問題が出るようなことが起こっています。

そのような状況を考慮して、健康を強く意識した無理なく無駄のないメディカルダイエットの情報を提供する活動や、栄養摂取の方法についての研究を進め、徐々にではあっても広めるための活動に取り組んできました。

その一つの活動が、粉ミルクの研究と活用法の普及でした。粉ミルクというと、赤ちゃんが飲むもの、母乳が飲めない子どものためのもの、という印象があります。それは正しいことで、通常の使い方ではあるのですが、赤ちゃんのための粉ミルクほど栄養バランスが取れていて、安全なものはありません。

今では“大人の粉ミルク”という発想もあって、高齢者を対象とした粉ミルクも発売されています。栄養バランスが崩れやすい高齢者をはじめとした人の栄養補助食としての活用です。栄養バランスを整えるものというところに着目すると、妊娠を意識した女性が自らの栄養バランスを整えるために使うことがすすめられます。

特定非営利活動法人日本メディカルダイエット支援機構は、健康科学情報センターと健康ペンクラブの事業活動を統合して法人化しましたが、健康ペンクラブの会長はテレビの健康番組の常連であった久郷晴彦薬学博士でした。久郷先生は後に義父となるのですが、久郷先生は大手乳業メーカーの研究所の出身で、粉ミルクを健康づくりに活用する方法をテレビ番組や講演、書籍などで広めてきました。

粉ミルクを赤ちゃんの栄養補給に活用する、母親が栄養バランスのために摂取するということについても研究を進めています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕