子どもの健康には母親の妊娠前からの栄養摂取が重要ということですが、特に重視されるのはカルシウム摂取です。カルシウムは女性では特に摂取量が少ないので、その特徴を知ることが大切になります。
カルシウムは、骨や歯に必須の体内で最も多いミネラルで、体重の約2%を占め、そのうち約99%が骨や歯にあり、約1%が血液や筋肉中にカルシウムイオンとして溶け込んでいます。
血液凝固、筋肉収縮、神経系の調整のほか細胞内外のカルシウム濃度の調整によって細胞の機能の調整、ナトリウム排泄によって血圧調整をする作用があります。また、腸壁を刺激して蠕動運動を盛んにし、便通を促進する作用があります。
不足すると骨粗鬆症や骨軟化症を引き起こします。また、カルシウムの摂取が大きく減少すると脂肪酸合成酵素が活性化し、肝臓で合成される中性脂肪が増加するとの研究成果が報告されています。
吸収率は約30%で、体内では1日に180mgが必要であることから1日の摂取量は600mg以上となっています。食品では、小魚、干しエビ、海藻類、牛乳、乳製品などに多く含まれます。
カルシウムは骨の中に蓄積されていますが、そのためにはリンの摂取も重要になります。
リンはカルシウムに次いで体内に多いミネラルで、骨の構成成分のリン酸カルシウム、リン酸マグネシウムの成分で全体の約85%を占めます。エネルギー代謝に欠かせないATP(アデノシン三リン酸)、細胞膜の構成要素のリン脂質など、生命維持に必須のミネラルとなっています。
食品では、動物、植物に多く含まれ、特に魚類、牛乳・乳製品、大豆、肉類には豊富に含まれます。リンはカルシウムと結合するとリン酸カルシウムとなって排泄されます。
加工食品や清涼飲料水などに添加物として多量に使われていて、これらの摂りすぎはカルシウム不足の原因となっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕