子どもの栄養は、生まれたときからではなくて、妊娠中から始まっています。母親の健康状態が、そのまま母乳の栄養に関わってきます。そして、妊娠中に胎児の成長に与えた栄養面での状態が、誕生後の成長にも大きく影響します。
それを踏まえて、厚生労働省が「妊産婦のための食生活指針」を策定したのは2006年(平成18年)のことでした。食生活指針という名称の割には分量的には少ないもので、裏付け資料も少ないのですが、それは厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」と「食事バランスガイド」を基本として、新たな妊産婦の食生活指針が組み立てられたからです。
「日本人の食事摂取基準」は5年ごとに新たな基準が示されていて、「妊産婦のための食生活指針」が初めて発表されたときには2005年版の「日本人の食事摂取基準」であったので、それから3回の更新がされています。この3回の更新で、大きな変化もありました。
「妊産婦のための食生活指針」の内容は変わっていなくても、実際の注意点や運営は大きく変わっているのです。
2005年には「食育基本法」が制定され、2013年には10年計画の国民健康づくり運動の「健康日本21〔第二次〕」が、そして2015年には「健やか親子21〔第二次〕」が開始されました。2019年8月には「健やか親子21〔第二次〕」の中間評価等に関する検討会報告書が公表されています。
これらの指針や報告書の内容を紹介しながら、親子の健康状態に関わる情報を広く使えていくことにします。
日本メディカルダイエット支援機構では、発達障害児にも対応できる発達栄養学に基づく講習(発達栄養アドバイザー認定講習)を実施しますが、妊娠中、出産後を通じて母親の栄養摂取は子どもの栄養に直接的に関わるものであり、それを踏まえた講習のための基本的な栄養情報ともなっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕