新型コロナウイルスの感染が拡大してき時期に、「コロナ抜け毛」という言葉が広まりました。コロナのストレスやマスク着用で吸い込む酸素が減ることによって毛母細胞に送られる酸素が減るために、抜け毛に対して毛髪の成長が間に合わなくなって、だんだんと薄毛になってくるということを指しています。
コロナ禍が長引いて、1年半では済まずに、2年以上も継続するのではないかと考えられている時期には、さらに進んだ「コロナ薄毛」の不安も湧き上がっています。
コロナ禍での外出自粛は毛髪には、よくないことばかりでした。まずは運動不足です。運動というと体操やスポーツのように積極的に体を動かすことを思い浮かべるかもしれませんが、外出自粛で大きく減ったのは外を歩くことです。
ウォーキングは簡単にできる効果的な有酸素運動で、酸素を多く取り込むことで全身の代謝が高まります。元気に歩き始めて10〜15分ほど経過すると体が温まってきます。これは酸素が全身の細胞に届けられ、酸素が多く細胞に取り入れられてきた証拠で、毛母細胞の代謝も高まっています。
ただ、マスクを着用したままのウォーキングでは、マスクのために二酸化炭素が口から全部外には出なくなり、酸素を吸い込むときに二酸化炭素も吸い込んでしまいます。そもそもマスクを通して吸い込まれる酸素が減ってしまいます。
外出自粛ということは自宅にいる時間が長くなり、それが過食につながり、外出自粛で太ったという人が増えています。自宅での飲酒が増え、さらに喫煙習慣がある人は自由に吸えることからタバコの本数も増えてしまいます。
タバコを吸うと太りにくくなると主張する人も少なくありません。これは、ある程度は事実で、食後にタバコを吸うと胃が急激に動き出して、まだ充分に消化されていない状態で小腸に運ばれます。そのために吸収が低下して太りにくくなり、タバコをやめると太るということも起こります。しかし、これは喫煙中に食べすぎていた結果です。
タバコを吸うと体内に取り込まれる酸素量が減ります。外出自粛で吸い込む酸素量が減っているときに、タバコの影響を受けたら、さらに酸素量が減ってしまいます。タバコを吸うと血液がドロドロになるという指摘もあります。血液ドロドロの原因は過食による血液中の脂肪の増加が指摘されています。
太ってしまうほどの過食も問題ですが、喫煙によって血液中の酸素量が減ると、これを補うために赤血球の数が増えます。それによって血液中が混雑した状態になって、血流が低下して、体の末端の毛母細胞まで届けられる酸素量が減ってしまうのです。
外出自粛で毛髪のケアに当てられる時間が長くなったことをプラスと考える向きもあるのですが、買い物に出かけることが少なくなったこともあって、ヘアケア商品の購入量も減りました。
ヘアケアに当てる時間が増えたという人であっても、それを上回るほどのストレスがあり、その解消に食べる量が増え、飲酒量が増え、タバコの本数も増えるといったことから悪循環に陥ってしまいがちです。
外出自粛で抜け毛の本数が増えたことを目にしている人も多いかと思います。クイックルなどで床を掃除すると毛髪が多く付着します。このことを「抜け毛が増えたのではなく家にいる時間が長くなったせい」と主張する人もいます。
毛髪の数は10万本と言われています。これは薄毛の人を除いた平均の本数ですが、このうち1日に0.1%は抜けるとされています。10万本の0.1%は100本です。
1日のうち12時間を自宅にいて、12時間を外出していたとすると、単純計算で50本は家で抜けて、50本は外で抜けていることになります。外出をしない日には自宅にいる時間は2倍になります。となると100本が家で抜けているので、単純に家の中で発見する抜け毛の本数は2倍になることになります。
これに外出自粛のストレスが加わったら、以前の3倍の150本になったとしてもおかしくありません。実際に抜け毛の本数を数えている人は少ないかと思いますが、抜け毛が大きく増えているとしたら、すぐにもストレス対策をしたいものです。
ストレスがかかった状態では、自律神経の交感神経の働きが盛んになって、血管が収縮して血流量が低下します。ストレスが強くなると血圧が高まるのは、交感神経が強く働いて、血流が低下している将校です。血流量が少なくなると呼吸数も増えます。外出自粛で呼吸数が増えているとしたら、相当にストレスが高まっている状態です。
ストレス解消には体を動かすことが必要で、外出できないから自宅でできる簡単な体操だけでもしたいものです。交感神経の働きを抑えるだけなら深呼吸をすることでも効果があります。気がついたら深呼吸をするのを心がけます。もちろん、ストレス解消のための過食、飲酒、喫煙を避けることをした上でのことにはなります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕