健康診断を受けて、生活習慣病であることが指摘されても、その先の受診まで進まない人は少なくありません。生活習慣病は肥満症、高血圧症、糖尿病、脂質異常症が多く、どれも血管にダメージを与えるものです。そのリスクが高いことがわかったら、できるだけ早く受診をして、場合によっては治療を始めることが大切になります。
ところが、血管のダメージはイメージしにくいところがあり、生活習慣病は初期段階では自覚症状がないため、生活習慣病の恐ろしさを理解していないと、そのまま放置することにおなりかねません。
健康診断で血糖値が高いことから糖尿病を指摘されても、実際に受診しない人は40%を超えています。糖尿病の診断に使われる血糖値は、当日や前日に食べたものに含まれる糖質(ブドウ糖)の量に影響されることがあるため、そのせいであると考えてしまうこともあります。さらに危険性がわかっていなければ、放置する人が多いことも当然かもしれません。
糖尿病は、高血糖状態のために細くてもろい毛細血管の老化が進み、それによって発症するのが三大合併症の網膜症、腎症、神経障害です。これは網膜、腎臓、神経には毛細血管が密集していて症状が起こりやすいからですが、そのときには動脈硬化も始まっています。動脈硬化が進むと心疾患(狭心症、心筋梗塞など)、脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)が起こり、ここまで進行すると医療に頼るしかなくなります。
治検(治療用語検定)を始めたのは、検査用語と生活習慣病に関する治療用語を知って、リスクに気づき、早めに対処する人を増やしたいということがありました。それによって、本人も家族も職場も健康のまま過ごして、地域においても健康を維持する人が多くなってほしいとの願いがあるからです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕