治検28 腎臓系検査

〔クレアチニン〕
クレアチニンは筋肉中の代謝によって生成されるタンパク質で、尿素や尿酸とともに窒素を含む終末代謝産物(老廃物)です。エネルギー代謝によって筋肉中で生成され、腎臓の糸球体から濾過されて、ほとんどが再吸収されずに尿中に排出されます。運動による影響を受けやすくなっています。
血液検査では、骨格筋の量の指標と同時に、腎機能障害の指標として利用されます。腎機能が低下すると排泄量が減り、血液中の濃度が高まります。
基準範囲は男性では1.00mg/dl、女性では0.70mg/dlです。

〔クレアチニンクレアランス〕
クレアチニンクレアランスは血清中のクレアチニンの腎臓での老廃物の排泄能力(クリアランス)を計算して、腎機能を推定する検査です。1分間に腎臓から尿中に排泄されるために必要な血漿量で示されます。
クレアチニンクリアランスは腎機能障害で低値となるため、血液検査では腎機能の程度を知るために利用されます。糖尿病性腎症や妊娠中、激しい運動のあとには高値となります。

〔ALP〕
ALP(アルカリホスファターゼ)は肝臓、胆管、骨、小腸などに広く分布している酵素です。肝細胞の胆管側に多く存在しており、リン酸化合物を分解する働きがあります。
ALPは肝臓で処理された後に胆汁とともに排泄されますが、肝臓や胆道に異常が生じて胆汁の流れが低下すると血液中に漏れ出て数値が上昇します。
数値が高い場合には、肝臓や胆嚢の病気、ベーチェット病、骨疾患、慢性腎不全の疑いがあり、値が低い場合には貧血や肝萎縮が疑われます。

〔尿素窒素〕
尿素窒素(BUN)は血液中の尿素に含まれる窒素分で、血清成分から蛋白質を取り除いた残余成分の30〜40%占めています。たんぱく質の代謝物質(燃えカス)であるアンモニアを無害化するために二酸化炭素と結びついてできたもので、肝臓による生産過剰、腎臓による排泄障害があると増加します。
尿素は蛋白質の終末代謝産物で、肝臓で合成され、腎臓で排出されますが、腎臓の機能が低下すると濾過しきれない尿素窒素が血液中の残り、尿素窒素の値が高くなります。
血液検査では、肝臓、腎臓の状態を検査するために利用されます。
基準値は8〜20mg/dlです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕