治検6 正常値の意味

健康診断や人間ドックの検査の結果として示される数値は、それぞれの項目によって高いほど疾病のリスクが高いものもあれば、逆に低いほどリスクが高いものもあります。さらに一定の範囲の正常値よりも高くても低くても疾病のリスクが高くなるものもあります。

糖尿病の診断に使われる血糖値は高くなるほうばかりが注目されがちですが、基準値(正常値)よりも低い低血糖では血糖値が50mg/dl以下になると脳などの中枢神経がエネルギー(ブドウ糖)不足の状態になります。

血糖値は、血液中のブドウ糖の値(濃度)のことです。空腹時には70〜110mg/dlほどで、ブドウ糖が含まれた食事をした後に高い値を示します。血糖値が上昇しすぎた状態を高血糖といいます。

判定基準は、空腹時血糖値が110mg/dl以上126mg/dl未満、食後2時間の血糖値が140mg/dl以上200mg/dl未満の状態を指しています。

血糖値は食事を控えるだけで低く抑えられるので、長期間の血糖値の平均値であるヘモグロビンA1c(HbA1c)も検査されます。ヘモグロビンA1cは赤血球の色素であるヘモグロビンと血液中のブドウ糖が結びついたもので、ブドウ糖の量が多い高血糖状態になると発生します。

赤血球は骨髄で作られて血液中に入ってから役割を終えて壊れるまでの活動期間は約120日であることから、ヘモグロビンA1cを測定することで、過去1〜2か月の血糖値の平均を判定することができるのです。

空腹時血糖が126mg/dl以上かつヘモグロビンA1c6.5%以上で糖尿病と判定されます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕