注意欠如・多動性障害のある子どもの指導内容

文部科学省の「初めての通級による指導を担当する教師のためのガイド」には発達障害に関する部分があり、注意欠如・多動性障害のある子どもの指導内容について紹介します。
注意欠如・多動性障害のある子どもに対する通級による指導についてですが、通級による指導を行うに当たっては、特別支援学校の学習指導要領における自立活動を参考にした指導を中心にしながら、注意欠如・多動性障害の特性や、子ども一人ひとりの個別の教育的ニーズに充分配慮することが大切です。
実際の指導では、指導の目標や内容・方法などを踏まえ、必要に応じて、個別指導とグループ別指導を適切に組み合わせて行うことが求められます。加えて、障害の状態の改善または克服を目的とした指導と、各教科の補充指導について、それらを適切に組み合わせて行うことが効果的である場合には、適切な配慮の下に実施することが大切です。また、注意欠如・多動性障害のある子どもについては、月1単位時間程度の指導も充分な教育的効果が認められる場合があることから、一人ひとりの状態に応じて、適切な指導時間数を設定することが重要となります。
個別の指導計画の作成についてですが、注意欠如・多動性障害のある子どもに対しては、個別の指導計画を作成することが望ましいとされています。特に、通級による指導を受ける子どもについては、個別の指導計画作成の際に、通常の学級における配慮事項も記述しておく必要があるとしています。
また、対象となる子どもに対して、個別の教育支援計画が作成されている場合には、そこに記されている内容にも充分配慮して、個別の指導計画を作成することが大切となります。
通常の学級においては、注意欠如・多動性障害のある子どもについて、適切な配慮の下に指導が行われる必要があるとしています。指導を担当する教員は、注意欠如・多動性障害のある子どもの実態の把握に努め、進級による指導における指導方法などを参考にするとともに、ティームティーチングや個別指導、学習内容の習熟の程度に応じた指導、教材・教具などの工夫を行うことも重要です。
注意の困難に対して、余分な刺激を減らすことができるように、黒板の周囲の掲示物を減らしたり、座席の位置を前方にしたりするなどの工夫が行われています。また、集中できる時間を考慮して、短い時間で活動を区切って、メリハリをつけることも考えられます。