文部科学省の「初めての通級による指導を担当する教師のためのガイド」には発達障害に関する部分があり、注意欠如・多動性障害のある子どもの教育における合理的配慮の観点について、前回に続いて支援体制について紹介します。
専門性のある指導体制の整備について、特別支援学校や発達障害者支援センター、教育相談担当部署などの外部専門家からの助言などを生かし、児童の充実を図るとしています。また、通級による指導など学校内の資源の有効活用を図るとしています。
子ども、教職員、保護者、地域の理解啓発を図るための配慮について、本人なりの理由があることや、生まれつきの特性によること、危険な行動などの安全な制止、防止の方策などについて、周囲の子ども、教職員、保護者への理解啓発に努めるとしています。
災害時などの支援体制の整備については、落ち着きを失ったり、指示の途中で動いたりする傾向を踏まえた、避難訓練に取り組みます(項目を絞った短時間での避難指示、行動を過度の規制しない範囲で見守りやパニックの予防など)。
施設・設備では、校内環境のバリアフリー化、発達や障害の状態、特性などに応じた指導ができる施設・設備の配慮として、注意集中が難しいことや衝動的に行動してしまうこと、落ち着きを取り戻す場所が必要なことなどを考慮した施設・設備を整備します(余分なものを覆うカーテンの設置、照明器具などの防護対策、危険な場所などの危険防止棚の設置、静かな小部屋の設置など)。
災害時などへの対応に必要な施設・設備の配慮として、災害発生後、避難場所において落ち着きを取り戻す場所が必要なことを考慮した静かな小空間などを確保します。