発達障害の特徴について、「発達障害者支援ハンドブック2020」で解説とともに問題点が指摘されています。
発達障害の二次障害は、自尊心が傷つけられたりして二次的に起こる障害を指しています。注意欠如・多動性障害の二次障害としてよく知られているのは反抗挑戦性障害で、大人に対して怒らせるような態度をとる、何かにつけて反抗する、悪いとわかっていることをわざとするという行動です。反抗挑戦性障害を放置すると、反抗的な行動などがエスカレートして行為障害へと移行しやすくなります。人や動物に対する攻撃性や窃盗、他人の所有物の破壊、社会的ルールの違反などが見られ、家族の力だけでは修正が困難とされています。また、不安障害やうつ病になる子どももいます。
二次障害への発展を予防するには、本人の特徴をよく理解して、特徴にあった支援をしていくことが大切になります。
注意欠如・多動性障害を改善するためには、まずは不注意を改善することが行われます。治療薬を用いる場合でも、不注意を改善する治療薬が使われ、これによって注意力が改善すると多動性も衝動性も改善することが知られています。不注意状態は成人になってからも続くので、治療薬は成人にも使われるようになっています。
治療薬なしでの改善では、注意力をつけさせるためのアドバイス、文字や絵を用いた注意喚起などが行われます。なぜ不注意が起こったのかを自分で考え、自分で改善するように導くことは大切ですが、ただ自分で考えさせようとしても不注意は注意欠如・多動性障害の特性であるので、周囲の支援が必要です。今後の発達の状態によっては、自分で問題をコントロールできるようになっていく可能性もあるので、地道な支援は必要です。
このような改善への支援によって、二次障害を起こすことがないようにするのも支援の大きな目的とされています。