発達障害は疾患ではなく、生まれつきの特性あるといっても、医学的には精神発達障害に含まれ、その診断は医師(心療内科、精神科)によって行われます。発達障害と診断されたときの治療は、心理社会的治療、薬物療法による対処療法が行われます。
子どもを対象とした療育としての発達支援は児童福祉法に基づく児童発達支援事業所で行われます。児童発達支援事業所で対応する子どもは未就学(小学校に入る前の段階)となっています。
小学生から高校生までが療育を受けられるのは放課後等デイサービスを実施している事業所となるものの、高校生の対応ができる事業所は極めて少数でしかありません。
発達障害は治療と療育によって改善を進めることができるものの、特性は生涯にわたって続くものだけに、社会的な支援が重要であり、そのためには地域社会の広範な理解が必要となります。
発達障害はすべての子どもの10%にも及んでいて、国民の10人に1人は該当しているという状態であるにも関わらず、その実態は充分には知られていません。自分の周りに子どもが10人いて、そのうちの1人に発達障害があるということを考えると、何かできることがあるのではないか、という考えも浮かんでくるはずです。
まずは知ることが大切であり、知ることによって、それぞれの方々ができるところから取り組むことが求められるところです。これと同じ考えでの取り組みは、高齢者の認知症対応では2005年から始まっています。
厚生労働省の新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)に基づいて、認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進が掲げられ、認知症を知り地域をつくるキャンペーンとして認知症サポーターの養成が始まりました。
認知症と軽度認知障害を合わせた数は2025年には1035万人、2040年には1197万人と推計されています。これを支える認知症サポーターは現在でも1500万人を超えています。
これに対して全国民の10%とされる発達障害は、日本人の総人口(1億2399万人)から約1240人と推定される中にあっても、発達障害のサポーターは制度も養成プログラムもないことから1人も存在していません。
このような状況から、発達障害のサポーターを、まずは発達障害を知るところから始めようと考えて、行動に起こしたところです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕