活躍社会推進16 困難さがないグレーゾーン

発達障害の状態は専門医による診断によって判断されます。診断基準を超えた状態であれば発達障害と診断されるわけですが、その診断基準に達していなくても、発達障害の特性が見られる場合にはグレーゾーンと判断されます。

これは一般的な疾患とも同じことですが、診断基準に満たない場合には疾患(この場合には発達障害)ではないことになるため、支援を受けることができません。発達障害児であれば相談をすることもできて、子どもの行動などの特性について理解を得ることもできます。

ところが、グレーゾーンの場合には、支援が受けられず、相談先もなく、理解を得にくいという特有の困りごとがあります。グレーゾーンは一般にも使われるようになってきましたが、医学的な診断名ではなくて、予備群のようなものであるため、困難さは本人と家族で乗り越えていくしかないというような困った状況にあります。

一般的には発達障害は困難さが強くて、グレーゾーンは、それに比べると困難さが弱いと認識されがちですが、困難さは周囲の対応によって大きく違ってきます。周囲の理解があり、困難さを感じずに済むような対処ができていれば、発達障害もグレーゾーンと変わらない状態にもなります。

また、グレーゾーンであっても、周囲の理解や対応ができていなければ、発達障害と同様な、場合によってはそれ以上の困難さを抱えてしまうことになります。大切なことは、周囲の理解であり、発達障害に悩む人を作り出しているのは周囲の人間だということを知っておくべきです。

発達障害者支援法の第2条(定義)では、発達障害者(子どもは発達障害児)は発達障害があると同時に社会的障壁によって日常生活や社会生活に制限を受けている人のことを指しています。

社会的障壁がなければ、発達障害であっても日常生活や社会生活に制限を受けることはないということで、社会的障壁をなくす行動、まずは発達障害の実情を理解することが重要になってくるということです。

そのための活動として私たちは「児童発達サポーター」の推進に協力しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕