発達障害の一つの学習障害では、学ぶために椅子に座るという当たり前のことにも困難さがあることがみられます。
学習のために座席に座り続ける姿勢を保持するには、腹筋と背筋の機能によってS字状の背骨の形を保つことが必要になります。
学習前の段階での運動不足や家庭内で椅子などに座るときの姿勢が崩れていると、座るための筋肉が強化されないまま入学することになります。
筋肉のつき方が不十分である場合には、日常生活や体育などの機会に筋肉を強化する活動が必要になってきます。
しかし、筋肉がついても、発達障害に特有の集中力の低下が、姿勢を保ちにくくすることもあります。
自閉症スペクトラム障害の場合には、一つのことに集中するために、教科書やテキストを注視して姿勢が前かがみになることもあります。自閉症スペクトラム障害がある子どもには、姿勢の崩れを常に注目して、気づいたときに注意することが求められます。
注意欠陥・多動性障害の多動・衝動性の場合には、いわゆる貧乏ゆすりがみられます。これは感情の高ぶりを身体を動かすことによって抑えようとする行動であり、それを抑制するような指導は、さらに感情を高め、衝動を引き起こすことにもなりかねません。
足を細かく動かし続ける貧乏ゆすりの多くは、座り続けていることによる不安やストレスが原因とされます。
また、発達障害では自律神経の調整の乱れから、交感神経の働きが盛んになる学習の時間帯に副交感神経の働きが盛んになり、集中力が低下する、眠気に襲われるということも起こりやすくなっています。
それを解消するために貧乏ゆすりをすることも少なくないことから、原因を考え、相談に乗ってあげること、また原因と思われることを家族に確認することも必要になってきます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕