活躍社会推進23 姿勢保持のための工夫

発達障害の一つの学習障害では、学ぶために椅子に座るという当たり前のことにも困難さがあることがみられます。

椅子に正しい姿勢で座り続けられない、背筋を伸ばした姿勢が保てないのは、姿勢を支える筋肉が弱いだけでなく、足の踏ん張りが足りないことが少なくありません。

足が床に着かない座席に座ると足の重さに引かれて、上体が前側に倒れがちになります。そのために背骨のS字カーブを保ちにくくなり、長く座ることで疲れやすくなることが生じます。

さらに発達障害の特性があると、疲れを感じたときに特に集中しにくくなる特徴がみられます。

前のめりの姿勢で読み書きをする子どもは、足の裏が床に触れていないことがあり、足の力で上体の姿勢を保つことができなくなっていることが多くなっています。

また、足が浮いた状態では、太ももが圧迫されて上体が不安定になりやすく、血流が悪くなることから不快感が高まりやすいことが指摘されています。

床に足裏をつけて、足の筋肉を使って下半身を支え、上体の姿勢を保つためには、座席と床の距離が体格に合っている必要があります。その点も注意して椅子を選ぶ必要があります。

注意欠陥・多動性障害の多動・衝動性の場合には、正しい姿勢での学習は刺激が足りずに、刺激を求めて姿勢を崩すことがみられます。

この場合には座席の上に敷くカバーを替えることで改善につながることもあります。カバーを軟らかいものではなく、プラスチック製の刺激が強いものに変えることで、刺激が強まり、解決されることもあります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕