活躍社会推進3 知ってもらいたい発達障害の実態

発達障害児は10人の1人割合(10%)で存在していると推定されています。これに対して海外の複数の調査では発達障害児の割合は14〜19%にもなっています。その数字も、まだ完全に把握されていないとの報告が相次いでいます。

10人に1人の割合といっても、これは男女の平均です。発達障害を男女別でみると、文部科学省の調査では男女比は2.4:1の割合と、男子が女子の2.4倍にもなっています。

海外の調査では男女比は4:1とされるデータもあり、男性の発症が多いとされるアメリカでは4.5:1との報告があります。国内の報告でも、注意欠如・多動性障害は4〜9:1、自閉症スペクトラム障害は3:1とのデータがあげられています。

国内の調査の男子が女子の2.4倍という結果から、発達障害児が10%と推定すると男子で発見されているのは14.0%、女子では5.8%となり、単純計算ではあるものの、発達障害児の割合では7:3で男子が多いということになります。

これは実際に発達障害児と触れ合っている支援施設の関係者も口を揃えて言っていることで、その原因としてホルモン分泌のメカニズムがあげられています。

これについて説明する前に、一般に示されている発達障害の原因について説明させてもらいます。

発達障害の原因は多岐にわたっており、不明な点が多く残されています。複数の要素が関係していて、遺伝的、胎児期の保健状態、出生時の環境、感染症、環境要因などがあげられています。

双子研究によって、遺伝要因と、それ以外の要因の影響度を算出することが可能で、自閉症スペクトラム障害と注意欠陥・多動性障害(ADHD)に関しては遺伝要因の影響が大きいことが確認されています。

大部分の発達障害は乳児出生前に形成されますが、一部は出生後の外傷、感染症、その他の要素に起因することもあります。

さまざまな原因とされることがある中で、一般には例として以下のことがあげられています。

・遺伝子や染色体の異常:ダウン症候群、レット症候群など
・妊娠中か生後7か月〜3年の環境
・妊娠期の物質使用(アルコールなど):胎児性アルコール・スペクトラム障害など
・妊娠期における感染症
・未熟児出産

かつては子育てが原因と指摘されていた時代がありましたが、近年の研究によって遺伝要因と環境要因が複雑に組み合わさっていることがわかってきました。

しかし、どのような遺伝子が関連して症状を引き出しているのか、親からの遺伝がどの程度なのか、遺伝しないで発症する確率がどのくらいかは明らかではなく、環境要因についても何が大きく影響しているのかわからないことが圧倒的に多い状況です。
ホルモンとの関係については次回(活躍社会推進4)、説明させてもらいます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕