活躍社会推進6 発達障害の改善の困難さ

発達障害は行動や認知の特性によって、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害の3つに大きく分類されています。それぞれ特性があり、行動が正反対に思われることがあるものの、神経伝達では同じ特徴があります。

それは神経伝達物質のセロトニンの不足による副交感神経の働きの低さで、そのために交感神経が働きすぎの状態になっている特徴があります。

自律神経は自ら律すると書くように、自動的に機能する特性があり、意思によって調整することができないとされています。しかし、生活環境における温度調整や栄養摂取による神経伝達物質の調整によってコントロールすることが可能です。

自律神経は全身の機能をコントロールしていることから、生きていくために必要な消化、吸収、循環、代謝、排泄のすべての働きに影響を与えています。

これらの5つの機能を亢進させているのは副交感神経の働きであって、副交感神経の働きが低下している状態の発達障害では、5つの機能が働きにくく、それが発達障害の特徴的な状態を進める要因となっています。

中でもセロトニンは、脳で作用する神経伝達物質でありながら脳内で生成されるのは5%ほどで、残りの95%ほどは腸内で生成されています。腸内環境がよい状態でセロトニンは多く作られるようになりますが、腸内環境を整えるのは副交感神経の働きです。

こういった矛盾とも感じるような身体のメカニズムに対応するには、副交感神経の働きを高めることですが、それがうまくいかないのが発達障害の特徴であるということを、まずは知ることです。

そして、セロトニンの生成量を増やして対応するために、腸内環境を整える方法について、栄養摂取の面から対応していくことを目的として、私たちは発達栄養という観点での支援を始めることとしました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕