満腹感と空腹感に関わる用語を知っておこう

満腹感と空腹感に関する情報を理解するための関連用語を解説します。
「糖質」はエネルギー源の一つで、糖質のほかの脂質、たんぱく質を合わせて三大エネルギー源と呼ばれます。糖質は一般には糖類が多く含まれる、ご飯、麺類、パンなどを指しています。また、砂糖などの甘味成分も糖質に分類されます。糖質はブドウ糖や果糖などの糖分が鎖状につながった形をしていて、胃では胃液に含まれる消化酵素のアミラーゼ、小腸では腸液に含まれる消化酵素のマルターゼ、スクラーゼ、マルターゼによって分解されます。
「ブドウ糖」は糖質に含まれる単糖の一つで、グルコース、デキストリンとも呼ばれます。穀類や果物、はちみつなどに多く含まれています。全身の細胞のエネルギー源で、脂肪酸やアミノ酸よりも早く燃焼する性質があります。脳に栄養成分を届ける血管にある血管脳関門は脂肪酸とアミノ酸は通過できないため、ブドウ糖が唯一の脳のエネルギー源となっています。ブドウ糖の名称はブドウから初めて発見されたことから名づけられました。ブドウ糖が2分子結びついたものは麦芽糖(マルトース)、ブドウ糖が多くつながった多糖類はデンプン(澱粉)やグリコーゲンなどがあります。医療用の栄養補給剤である点滴の主な中身はブドウ糖となっています。
「満腹中枢」は大脳の下側の間脳の視床下部にある器官で、満腹感を生み出す神経細胞が集まっています。満腹中枢と摂食中枢を合わせて食欲中枢と呼ばれます。満腹中枢は、血糖値(血液中のブドウ糖の値)が高まると刺激されて食欲が抑制されます。満腹中枢が血糖値の上昇を感知するまでに15〜20分はかかるため、早食いをすると食べた割には満腹を感じにくく、食べすぎる結果になります。
「摂食中枢」は間脳の視床下部にある器官で、空腹感を生み出す神経細胞が集まっています。血糖値が低下すると働いて空腹感を引き起こし、食欲が高まります。満腹中枢とバランスを取って食欲をコントロールしています。摂食中枢は食事をすることによって分泌される神経伝達物質のドーパミンの刺激を受けることでも働きます。食べ物の匂いを嗅いだり、食べ物の話をしただけで食欲が高まるのはドーパミンの作用と考えられています。
「リバウンド」は、ダイエットをやめた後に以前と同じような体重に戻ることを一般には指しています。しかし、生理学的には以前よりも太ることがリバウンドと呼ばれます。身体に合っていないダイエットを実践することによって筋肉量が減り、再び体重が増えたときには脂肪の割合が増えて、筋肉の割合が減ることになります。このように、代謝が低下して太りやすく、やせにくい体質になることがリバウンドと呼ばれているのです。