新型コロナウイルス感染を防止するためのマスクが、健康度を低下させているということが言われます。その発言の理由は数々あげられているのですが、その中の一つとして「口から排出される二酸化炭素がマスクで止められて酸素と一緒に身体の中に入ってくる」ということが広まっています。
全身の細胞ではエネルギー代謝によって酸素を取り込んで、細胞の中で発生した二酸化炭素が血液中に放出され、赤血球に取り込まれて肺まで運ばれてきます。そして、二酸化炭素が口から排出されることによって、その代わりに酸素が吸入されるわけですが、二酸化炭素の排出がマスクによって妨げられると、外に出なかった二酸化炭素の分だけ、口から入ってくる酸素が減ることになります。よく、「マスクをしていると口から入ってくる酸素が減る」ということが言われますが、その前に二酸化酸素の排出量が減っていることが大きな理由となっています。
二酸化炭素は不要なものとして体外に排出すべきものですが、運動をするなどして代謝が高まり、細胞から排出される二酸化炭素が多くなると血液中の二酸化炭素が増えることになります。この二酸化炭素を早く体外に排出するために、血管の収縮が高まり、血流が促進されるようになります。その結果として、温かな血液が早く巡ってくることから、体温が上昇するようになります。
この仕組みを活用したのが入浴剤の炭酸ガスです。炭酸ガスは一般名称で、化学名は二酸化炭素です。つまり、入浴剤の炭酸ガスは、お湯の中の二酸化炭素を増やしているわけですが、二酸化炭素は皮膚からも吸収されて血液中に入ります。炭酸ガス入りの入浴剤を使ったときには、血液中の二酸化炭素が増えて、まるで運動をしたあとのようになって、血流が促進され、身体が温まることになります。そのメカニズムを活用して炭酸ガス入りの入浴剤が開発されたということです。
炭酸ガスが含まれるのは入浴剤だけでなく、炭酸飲料も同様の働きがあります。炭酸飲料は炭酸ガスを圧力をかけて入れ込んだもので、炭酸飲料を飲むと胃や腸の粘膜から二酸化炭素が吸収されて血液中に入ります。その結果は、炭酸ガスの入浴剤と同じ経路をたどることになるのです、身体が温まり、それが代謝を高めることにもなります。つまり、ダイエット効果があるということですが、炭酸飲料の中には飲みやすくするために糖分が使われたものもあり、これを飲んだら、かえって太ることにもなりかねません。

