熱中症は水分不足だけが原因か

熱中症が心配される夏季には、それを防ぐために、室温が上がりすぎないように、暑い時間帯には外出しないように注意するとともに、水分の補給が強く言われます。暑い季節は、皮膚からの水分の蒸発が激しくなり、普通に水分を取っているつもりでも水分不足になりがちです。
体内の70%ほどは水分だと言われますが、それは若いときの話で、年齢を重ねると60%ほどに、高齢になると50%台にもなります。それだけ体内の水分が少なくなっているところに、蒸発によって水分が減ると身体を冷やすための水が不足します。
水分は身体を冷やすだけでなく、全身の細胞は水分量が一定に保たれることによって正常な活動が保持されているので、全身の働きにも悪影響が出ることになります。
暑い季節に運動をすると汗をかくので、それを補うための水分補給は正しいことですが、汗によって失われるのは水分だけでなく、塩分(ナトリウム)も減ります。汗には塩気があるので、これは理解しやすいことですが、さらにカルシウムも汗と一緒に体外に出ていきます。運動をする人が、骨に刺激を与えているはずなのに骨粗鬆症や骨折がみられるのは、これが原因の一つとなっています。
汗をかいたときにはカルシウムも摂取しなければならないわけですが、カルシウムは細胞のイオンバランスを調整して、細胞の働きを正常に保つ作用に加えて、神経伝達にも関わってきます。熱中症までいかなくても、夏バテの症状はカルシウム不足によっても起こってきます。
汗をかくときの外出や運動では塩分摂取に塩飴をとるのが有効ということで、ウォーキング大会で塩飴を配って舐めながら歩いてもらったことがあります。そのときにカルシウムが含まれたドリンクを飲んでもらうことが検討されました。カルシウムは、ただ飲めば、それで吸収されるというものではありません。カルシウムはイオン化してからでないと吸収されません。食事の後に摂ると胃の中には食べたものを消化するために消化液が使われ、イオン濃度が低下しています。この状態ではカルシウムは効率よく吸収されません。吸収率が高いのは空腹時です。
空腹時というと勘違いする人もいて、最も空腹な状態は食事をする直前だというので、そのタイミングで摂る人がいます。直前ということは、すぐに食べ物が胃に入ってくるのでイオン化しにくくなります。空腹時というのは一般には食事と食事の間の時間になります。そのことがわかっていれば、カルシウムの飲料もサプリメントも効果的に摂れるようになります。
水分は充分に飲んだつもりでも、胃の中に長く留まっているわけではありません。胃に入った後は、ほとんどが腸へとすぐに流れていきます。飲んだ水分を徐々に腸へと送り、水分切れを起こさせないようにするためには、胃の中に水が留まっている時間を長くすればよいわけです。そんなことができるのかというと、水溶性食物繊維を活用することです。日本ウオーキング協会の公認商品であるサルバチアはチアシードの白いタイプですが、水分を吸うと14倍にも膨らみ、水分を多くキープします。水溶性食物繊維は2時間ほどで消化されますが、その間に水分を徐々に離していって、胃から腸に徐々に水分が送られていって、熱中症予防のために少しずつ水を飲んだのと同じことになるわけです。
チアシードの情報は、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。