学校給食が始まったばかりの頃は、主食はパンで、おかずと牛乳というのがパターンでした。牛乳はビン入りで、今の若い世代には通用しない“牛乳ビンの底のメガネ”というのは当たり前にわかる時代です。三角食べということが言われ、パンを口に入れたら牛乳を飲み、次におかずを食べてパンに戻るという食べ方を強要された覚えがあります。
チコちゃんではないのですが、小学2年生のとき保健体育の教諭が隣に住んでいたので、その理由を尋ねたら指導書を見せられました。指導書のとおりにしているということで、その理由を聞くことができなかったことを覚えています。仕事で食に関わることになってから、業界の方に聞いてみて、栄養バランスや味の問題などがあることを知り、それが今の発達障害で牛乳が苦手な子どもの解消に役立っています。
小学校は地方(というよりも田舎)だったので、1年生のときには給食はなくて弁当持参で牛乳だけが出されていました。これが牛乳給食です。その牛乳は脱脂粉乳で、お湯に溶いたものを容器に入れてもらっていました。あまりおいしいものではなかったのですが、それでも身体のためによいと言われて、出されたものは全部飲んでいました。
パン、おかず、牛乳の完全給食になったのは2年生のときですが、それでも牛乳は脱脂粉乳のままでした。牛乳ビンに入ったものを飲むようになったのは3年生になってからです。都市部に住んでいた1歳年上の従兄弟は1年生のときから完全給食で、牛乳も初めからビン入りだった、ときどきコーヒー牛乳も出るという話を聞いて、地域差を感じました。
地域の方に「日本は米ばかり食べていたので戦争に負けた」と言われて、パンと牛乳を飲めば日本人も、いつかは体格的にも欧米人に追いつくと言われたものですが、これは違っていたようです。
今では給食の牛乳は紙パック入りになり、米飯給食でも牛乳を飲むという料理と合致していない状態になっても、違和感がなく、いつでも牛乳が飲めるようになったのは、身体のためにはよいことなのかもしれません。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)