エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を食事で摂れば、そのままエネルギーとなるわけではありません。一つには消化と吸収の関係があって、消化液の量と消化酵素の働きの違いによって糖質からブドウ糖に、脂質(脂肪)から脂肪酸に、たんぱく質からアミノ酸に、どれくらい分解されるかによって吸収率は違ってきます。
吸収されれば、それが全身の細胞に取り込まれてエネルギーになるのかというと、細胞への取り込みも違っていて、ブドウ糖は膵臓から分泌されるインスリンの量によって吸収量が違ってきます。
脂肪酸は代謝促進成分のL‐カルニチンと結びついて細胞の中にあるエネルギー産生器官のミトコンドリアに取り込まれるので、L‐カルニチンの量が脂肪酸の吸収率に影響してきます。L‐カルニチンは体内で合成されていて、合成のピークは20歳代前半なので、年齢を重ねるにつれて脂肪が効率よくエネルギー化できなくなっていきます。
アミノ酸は肝臓で必要なタンパク質に合成されます。その合成量によって、エネルギー化されるアミノ酸の量は大きく違ってきます。
エネルギー源のエネルギー量はほぼ決まっていて、1gあたりにつき糖質は約4kcal、脂質は約9kcal、たんぱく質は約4kcalとなっています。脂肪の摂取が太りやすいというのは、糖質とたんぱく質の2倍以上のエネルギー量があるからです。
エネルギー源に含まれるエネルギー量のうち、どれくらいがエネルギー化されるのは、それぞれの人の身体の条件によって異なるということで、摂取エネルギー量を増やせば太る、減らせばやせると単純に計算できることではないのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕