甘いものを食べてダイエットする方法について情報発信する前に、紹介したいのは味覚についてです。舌が感じる甘味、旨味、塩味、酸味、苦味の5種類は基本味と呼ばれ、舌の表面にある味蕾によって感じています。基本味のうち食欲と最も関係しているのは甘味であり、砂糖やブドウ糖、果糖などのエネルギー源になるものを感じる味覚となっています。だから、甘いものには敏感に反応してしまうのです。
味蕾は舌の表面の舌乳頭と呼ばれる突起にある0.05〜0.08mmの味覚センターで、味蕾の味細胞が味物質を受け、味覚神経に伝えて、脳で味を感じています。舌の先端に甘味を感じる味蕾があり、中ほどの左右で塩味、奥の左右で酸味、奥の中央で苦味を感じ取っています。
ダイエットを実践しているときに多くの人が食べたい欲求が高まるのは甘いもので、中でもスイーツと呼ばれる菓子やアイスクリームなどです。スイーツが甘いのは砂糖が多く使われているからですが、砂糖はブドウ糖と果糖が1分子ずつ結びついた構造をしています。ダイエット中に限らず、食欲の変化に関係しているのはブドウ糖で、食品の糖質(ご飯、麺類、パンなど)には多くのブドウ糖が含まれています。
基本味のうち甘味、旨味、苦味を感じる味細胞の表面には、味の分子を受け取るGタンパク質共役型受容体があります。Gタンパク質は情報伝達物質で、Gタンパク質共役型受容体が甘味ならブドウ糖を結びついてGタンパク質を活性化させることで、甘味の情報が味覚神経に伝えられています。
Gタンパク質共役型受容体は甘味分子のブドウ糖を受け取った後、いくつかの化学反応を経て、味覚神経に伝えられていくのですが、温度が高くなると化学反応が盛んになり、甘味を強く感じるようになります。清涼飲料水は冷たいときには甘味を強く感じにくいのに対して、常温になると甘味が強くなります。これは化学反応が盛んになった結果というわけですが、甘味の感覚に頼って甘いものに含まれているエネルギー量の多い、少ないを判断していると、とんだ間違いをすることにもなるので、冷たい飲み物、デザートには注意が必要です。