痛風の基礎知識1 尿酸値と痛風の関係

尿酸値が高くなった状態を高尿酸血症といいます。尿酸値が高くなっても、初めのうちは自覚症状はみられません。しかし、尿酸値が高い状態を放置していると、足の親指が激しく痛み出す痛風にまで進行します。

痛風は、昔は「贅沢病」と言われていましたが、今では特別に贅沢な食事をした人にだけ発症する病気ではなくなりました。

高尿酸血症になって、尿酸が血液中に溶けきれなくなるほど多くなると尿酸は結晶化します。この結晶は針状となり、関節部分にたまってくると関節を刺激して、炎症を起こします。

以前は、これが激しい痛みの原因とされていましたが、研究が進むにつれて痛みの本当の原因がわかるようになってきました。

結晶が関節を刺激すると、免疫細胞の白血球が集まってきて、結晶の処理をするために活性酸素を発生させます。この活性酸素が関節の炎症を起こして、神経を強く刺激することで激痛が起こります。

自覚症状がない段階であっても、高尿酸血症になると尿酸が結晶となって、痛風に向かって着々と進んでいるということです。

痛風には、次のような特徴的な症状が現れます。
①激しい痛みがある
②赤く腫れている
③患部が熱を持つ
④足の親指の付け根が痛む
⑤1週間程度で痛みがまったくなくなる

痛風は、足の親指の付け根に猛烈な痛みが起こり、1~2時間で足の甲が腫れ上がり、「風が吹いても痛い」というくらいに、わずかな刺激を受けたり、軽く触れた程度でも激痛が走るようになります。

痛風の痛みが消えても高尿酸血症が治ったわけではなく、むしろ悪化の一途をたどっています。痛風の先には怖い合併症が待ち構えていて、合併症を防ぐためには早期に治療を始めることが大切になります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕