発達支援推進12 発達栄養の指導者はDNA

DNAといえば、デオキシリボ核酸の英語表記のDeoxyribo Nucleic Acidの頭文字を並べたものです。人間の身体では細胞の核の染色体の中にあって、アデニン、チミン、グアニン、シトシンの4種類で構成されています。ごく簡単にいうと、身体を作る設計図です。

健康維持のための基本中の基本となる重要なものということです。

これに対して、私たちが使っているDNAはDevelopmental Nutrition Adviserの頭文字を並べたもので、「発達栄養アドバイザー」のことです。このDNAも成長のための基本となる栄養について知るということで、健康維持のための基本中の基本の設計図となってほしいという思いを込めて、DNAと呼んでいます。

発達栄養アドバイザー(DNA)は、発達障害児の理解と支援を目指す複数の団体での活動の中から誕生しました。普及については団体の協働活動の発達支援推進協議会の役割としていますが、講習を担当するのは臨床栄養研究と発達障害児支援を行ってきた日本メディカルダイエット支援機構(理事長:小林正人)です。

発達栄養は、心身の特性から食事に困難さを抱える発達障害児にも対応できる栄養アドバイスを中心に据えていますが、生理学研究に基づいていることから、もちろん成長過程にあるすべての子どもにも対応できる栄養対策となっています。

発達障害の食事の困難さの特性を知り、栄養学の基本的な知識と組み合わせで、栄養改善を図ることが第一です。しかし、栄養成分は摂取すれば(口から入れれば)、それで心身の源となる、エネルギー源になるわけではありません。

消化、吸収、血液循環、細胞内の代謝、腸の蠕動運動、排泄までの一連の流れが正常に保たれることが大切になります。これらの働きは自律神経が調整していて、副交感神経が働きを高めています。発達障害では自律神経の調整が乱れやすく、副交感神経の働きを盛んにする神経伝達物質が不足しているという特徴があります。

このことが発達障害児でも、他の成長過程の子どもでも栄養代謝、エネルギー代謝を低下させることになっているため、全体的に食事に関わることにもアプローチするのが、他にはない発達栄養アドバイザーの特徴となっています。
〔発達支援推進協議会 小林正人〕