発達支援推進21 子どもの支援のために必死に学ぶ姿勢

発達障害がある子どもへの支援というと、第一義に対象者とされるのは子ども自身です。子どもへの直接的な支援であっても、子どものために親を通じた支援をする場合にも、まずは子どものことを最優先にするのは普通の感覚です。

ところが、子どもの困難さを心配する声が多く寄せられても、その保護者の困難さについての声かけは少ない、ということを耳にする機会が増えています。発達障害がある人の保護者の集まりなどで見聞きすることが多く、心の声を発したいと喘いでいるのは発達障害児だけでなくて、保護者も同様だということが伝わってきます。

発達障害児の保護者の中には、自分が苦労をしていること、自分が頑張っていることを強くアピールするあまりに、子どもへの支援が後回しになっていることもみられます。もちろん、子どもと直接触れ合っている時間が長く、大きく影響をする保護者への支援は重要です。どれだけの困難さがあるのかということも理解はしています。

子どもの支援をするために一生懸命に学ばなければならないことは多くて、私たちが関わっている発達栄養についても、協力をいただいている栄養学や生理学などの専門家でも、ここまでのことを勉強するのは大変という内容まで学ばれている例もあります。

私たちの発達栄養の講習テキストは、保護者の方でも理解して実践してもらえることを考慮して、できるだけ簡略にしているものの、A4版で200枚にはなっています。勉強をしている保護者の方と話をすると、200枚で足りることがほとんどである一方、発達障害と栄養の専門講習であっても、ここまでの勉強をしているのかと驚かされる範疇まで踏み込んでいる例もあります。

そこまでのことは、基本を学んでもらえれば応用として伝えられる脳神経伝達や発達心理学、エネルギー代謝科学の世界になってはくるのですが、自分だけで頑張って学ぶのではなく、私たちのような者の支援も受けながら学んだほうが効率的だと考えられることは多々あります。

そして、その時間を子どもの全体的な支援に充ててもらえるように、頑張りすぎないように学ぶことも講習を通じて使えるようにしています。
〔発達支援推進協議会 小林正人〕