発達支援推進4 発達障害児の支援は住民の責務でもある

発達障害者は、発達障害があり、そこに社会的障壁が加わることによって日常生活や社会生活に制限を受けている存在だということを発達障害者支援法は定義(第二条)しています。

これは早期に発見して、早期に改善のための対処をすることで、発達障害であっても状態を軽減させ、本人や家族などの困難さを少しでも解消しようという考えに基づいています。

発達障害者支援法の第三条でも、国や地方公共団体は発達障害児に対して、発達障害の症状の発現後できるだけ早期に把握して、状況に応じて適切に、就学前の発達支援、学校における発達支援が行われるようにすることが定められています。

また、発達障害者に対する就労、地域における生活等に関する支援、発達障害者の家族その他の関係者に対する支援が行われるよう、必要な措置を講じることも定められています。

このことから、生活をする地域の自治体も発達障害児を早期に発見するための活動をしなければならないこととなっています。

この発達障害者に対する責務は自治体に課せられたことではなくて、国民一人ひとりにも課せられています。発達障害者支援法の第四条には「国民の責務」として、「国民は、個々の発達障害の特性その他発達障害に関する理解を深めるとともに、基本理念にのっとり、発達障害者の自立及び社会参加に協力するように努めなければならない」と書かれています。

理解をするための勉強の機会を得ることを個々に求めても国民的な理解を進めることはできないことから、やはり自治体や関連団体が着手するべきこと、自治体だけで不可能であれば民間との協働で実施することが求められているわけです。

国や自治体任せにして、頼りきりになってはいけない、公助ではなく共助で取り組むべきだということです。

発達障害者支援法の第二条の二の「基本理念」を見ると、国や地方公共団体(自治体)が発達障害者を支援する団体との連携を進めることが示されています。連携を進めるということは、発達障害者の支援は自治体だけでなく民間の団体にも期待されているということで、自治体の協力を得ながら、市民活動として取り組むべきである、ということが示されているわけです。
〔発達支援推進協議会 小林正人〕