文部科学省の食育推進基本計画では、子どもに対する食育の推進の目標に関する事項として、朝食を欠食する子どもが多く存在している状況を改善していくことを掲げています。食育推進基本計画を進めるにあたっての調査では、小学校6年生のうち「朝食を毎日食べているか」という問いに対して、あまりしていない、まったくしていないと回答している割合は、平成27年度は4.4%でしたが、平成32年度までには0%を目指すこととしています。
朝食を食べていない子どもの重要な栄養摂取源となっているものとして学校給食があげられています。しかし、公立中学校の学校給食の実施率は、平成26年度には87.5%となっていました。これを平成32年度までに90%以上にしようという指標が掲げられています。実際には平成28年度には90.2%となって目標を達成しています。これで充分なのかというと、朝食を食べていない子どもが栄養補給をする大事な機会となっていることを考えると、まだまだ実施率を高めることが求められています。
とはいえ、学校給食に頼るのではなくて、朝食を欠食することがないほうが重要であるのは当然の考えです。朝食を食べない理由として、起床してから登校するまでの時間が短いために食べる時間がない、親が朝食を食べる習慣がない、自分で作って食べようと考えても食べるものがない、という例までみられます。朝食を食べている場合でも、充分な栄養摂取になっていないこともあり、朝は菓子パン1個と飲み物だけ、パンでもなくてお菓子を食べているという例もあります。
お菓子だけ、飲み物だけ、栄養補給のブロック食品やゼリー飲料だけということもあります。国民健康・栄養調査では、こういった食事と呼べないようなものは欠食としてカウントしています。今回の調査も、これに準じています。
ただ、朝食抜きはいけない、食べるべきだと言うだけでなく、なぜ食べなければならないのかを身体と脳の仕組みから理解することが重要で、そのための情報を家庭に伝えることも発達栄養学の大切な役割といえます。