発達栄養学141 学校での食に関する指導の重要性

小学校、中学校学習指導要領には、食育の推進を踏まえて、保健体育科、家庭科、特別活動の時間だけでなく、各教科、道徳科、外国語の活動、総合的な学習の時間など、学校教育活動全体を通じて食育を組織的・計画的に推進することが示されています。
また、特別支援学校小・中学部学習指導要領には、小学校、中学校学習指導要領に示されていることに加えて、自立活動や知的障害者である児童生徒に対する教育についても示されています。さらに、幼稚園教育要領、特別支援学校幼稚部教育要領や高等学校学習指導要領、特別支援学校高等部学習指導要領にも食育の推進に関する内容が示されています。
栄養教諭制度は平成17年度から施行されましたが、食に関する指導のために創設されたもので、専門職である栄養教諭は養護教諭と同等の措置が講じられています。栄養教諭は学校の食に関する指導に係る全体計画の策定、教職員間や家庭との連携・調整などに中核的な役割を担い、各学校における指導体制の要として、食育を推進していく上で不可欠な教師となっています。
すべての児童生徒が、栄養教諭の専門性をいかした食に関する指導を等しく受けられるように、栄養教諭の役割の重要性や、その成果の普及啓発などを通じて、学校栄養職員の栄養教諭への速やかな移行を図るなど配置の促進に努めることとされています。
学校教育活動全体で食育の推進に取り組むためには、各学校において食に関する指導の目標や具体的な取り組みについての共通理解をもつことが必要となります。このため、校長や他の教職員への研修の充実など、全教職員が連携・協働した食に関する指導体制を充実させて、教材の作成などの取り組みを促進することとされています。また、食に関する指導の時間が充分に確保されるように、栄養教諭を中心とした教職員の連携・協働による学校の食に係る全体計画の作成を推進することとされています。