幼児期には、食べる喜びや楽しさ、食べ物への興味や関心を通じて、自ら進んで食べようとする気持ちが育つようにすることが大切です。ここで育まれた食事の感覚が、小学校以降の食育の充実にもつながっていきます。
1)幼稚園
文部科学省による幼稚園教育要領では、心身の健康に関する領域「健康」において「先生や友達と食べることを楽しみ、食べ物への興味や関心をもつ」ことが指導する内容とされています。また、幼児の発達を踏まえた指導を行うに当たって留意すべき事項として、「健康な心と体を育てるためには食育を通じた望ましい食習慣の形成が大切であることを踏まえ、幼児の食生活の実情に配慮し、様々な食べ物への興味や関心をもったりするなどし、食の大切さに気づき、進んで食べようとする気持ちが育つようにすること」とされています。
2)幼保連携型認定こども園
文部科学省による幼保連携型認定こども園教育・保育要領では、身体的発達に関する視点「健やかに伸び伸びと育つ」または心身の健康に関する領域「健康」において、乳児期は「個人差に応じて授乳を行い、離乳を進めていく中で、様々な食品に少しずつ慣れ、食べることを楽しむ」、満1歳以上満3歳未満の園児は「様々な食品や調整形態に慣れ、ゆったりとした雰囲気の中で食事や感触を楽しむ」、満3歳以上の園児は「保育教諭等の友達と食べることを楽しみ、食べ物への興味や関心をもつ」ことが内容とされています。
また、「第3章健康及び安全 第3節食育の推進」において、「食育の目標」「食育の基本」「食育の計画」「食育のための環境」「保護者や関係者等との連携した食育の取組」「一人一人の対応」が示され、「全職員が相互に連携し、組織的かつ適切な対応を行うことができるような体制整備や研修を行うことが必要である」とされています。
3)保育園
文部科学省による保育所保育指針では、食に関する保育の内容として、身体的発達に関する視点「健やかに伸び伸びと育つ」または心身の健康に関する領域「健康」において、乳児保育では「個人差に応じて授乳を行い、離乳を進めていく中で、様々な食品に少しずつ慣れ、食べることを楽しむ」、1歳以上3歳未満児の保育では「様々な食品や調理形態に慣れ、ゆったりとした雰囲気の中で食事や間食を楽しむ」、3歳以上児の保育では「保育士等や友達と食べることを楽しみ、食べ物への興味や関心をもつ」ことなどが示されています。また、「食育の推進」において、「食育の目標」「食育の計画」「食に関わる保育環境」「保護者や地域の関係者等との連携及び協同の下での食育の取組」「一人一人の子供の心身の状態に応じた対応等」が示され、保育所の特性を生かした食育は、「子供が生活と遊びの中で、意欲をもって食に関わる体験を積み重ね、食べることを楽しみ、食事を楽しみあう子供に成長していくことを期待するものであること」とされています。