高校生を含む若い世代は、食に関する知識や意識、実践状況などの面で他の世代より課題が多く、こうした若い世代が食育に関する知識を高め、意識を深め、心身の健康を増進する健全な食生活を実践することができるように食育を推進することが必要となります。
また、厚生労働省の2015年(平成27年)の「国民健康・栄養調査」において、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日に2回以上食べることが「ほとんど毎日」の者の割合は、男女ともに若い世代ほど低い傾向にあることがわかりました。
こうした課題に適切に対応するために、小学校、中学校で学んできた食に関する正しい知識と望ましい食習慣と関連させ、生涯にわたって健やかな心身と豊かな人間性を育んでいくための基礎が培われるように、栄養のバランスや規則正しい食生活、食品の安全性などの指導が一層重視されなければならないとしています。また、これら心身の健康に関する内容に加えて、自然の恩恵・勤労などへの感謝や食文化などについても教科書などの内容と関連させた指導を行うことが効果的であるとしています。
食に関する指導に当たっては、保健体育科における望ましい生活習慣の育成や、家庭科における食生活に関する指導、特別活動における生涯にわたって心身の健康を保持増進するための指導はもとより、各教科・科目、総合的な探求の時間での指導などを相互に関連させながら、学校教育活動全体として効果的に取り組むことが重要です。
幼児教育から高等学校まで、切れ目のない食育を指針していくことで、子どもの健康な食習慣、運動習慣の定着を図っていくことが大変重要です。そのために、幼児教育と小学校、中学校の接続、小学校、中学校、高等学校の接続を意識して、教科など横断的な視点で教育課程を編成していく必要があります。