文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは体育、保健体育の小学校の食に関連する内容を前回に続いて紹介します。
(エ)他教科などとの関連
理科で学習する「人の体のつくりと運動」と関連づけ、「調和のとれた食事」をとることの必要性について指導の充実を図ります。
また、体育科で学習した健康に関する内容から生まれた疑問や課題を、総合的な学習の時間において、個人や集団の課題として発展的に学習することも可能です。
エ 栄養教諭の関わり方
*「健康な生活」では、事例を基にした学習やグループ学習などを取り入れ、第3学年の発達の段階を踏まえて指導します。その際、食事だけを扱うのではなく、1日の生活のリズムに合わせて運動、休養および睡眠をとることが必要であることを指導します。
*「体の発育・発達」では、調和のとれた食事とはどのようなものか、学校給食の献立を中心に具体的にわかる教材を生かして指導を行います。また、具体的でわかりやすい図表や資料を準備し、体をよりよく発育・発達させるための食事の仕方について指導を行います。
*「体の発育・発達」では、体をつくるもとになるたんぱく質、不足しがちなカルシウム、不可欠なビタミンについては、運動、休養と併せて体の発育・発達に必要であることを理解させます。また、初めて栄養素について学習するので、第4学年でも理解できるようなわかりやすい教材を準備し、指導します。
*「病気の予防」では、食事などの生活行動が主な要因となって起こる生活習慣病を教材として取り上げ、専門的な立場から資料の提供や具体的な対策などの指導を行います。また、課題解決的な学習を展開する場合は、課題追求している児童に対して、専門的な立場から資料の提供や具体的な対策などの支援を行います。
*日常の問題ある食生活の積み重ねが生活習慣病を引き起こすことがあることについて事例や図表などを示したり、生活行動を改善する擬態的な手だてを示したりします。
*運動、食事、休養および睡眠については、食育の観点も踏まえつつ健康的な生活習慣の形成に結びつくよう配慮して指導します。
*授業で扱う栄養素、食品、生活習慣病についての課題追求などは、抽象的な話で終了することなく、積極的にICTなどを活用したり、一斉指導と個別指導を組み合わせたりして、どの児童にも理解できるよう工夫して指導します。
*栄養教諭のネットワークを生かして、食品などの業者担当者と連携を図り、実際の食品などを提示して児童の興味・関心を高めて話し合いをさせるなど、深い学びにつなげる指導をします。