発達栄養学220 体育、保健体育での食に関する指導・中学校6

文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは体育、保健体育の中学校の食に関連する内容を前回に続いて紹介します。
(エ)他教科などとの関連
技術・家庭科(家庭分野)の「食生活」において、食品の栄養的特質や中学生の1日に必要な食品の種類と概量について学習したことと関連づけ、生活行動・生活習慣と健康を学習し、規則正しい食生活について考えさせるなど、健康の保持増進のための食事のとり方について理解を深めます。
エ 栄養教諭の関わり方
*食生活と健康で、学校給食の献立を教材として、年齢や運動量に応じた栄養素のバランスや食事の量について専門的な知識を生かす指導を行います。
*食生活と生活習慣病との関わりについて、塩分や脂肪分を控えた学校給食の献立を教材として活用したり、生徒にわかりやすく説明する具体的な教具を工夫したり、実験や実習などを取り入れたりした指導を行います。
*学習した後、食事摂取時間の不規則化、朝食欠食の日常化、栄養摂取の偏りなどが見られる生徒に対して個別指導を行い、生活環境などに応じた、望ましい食生活が送れるよう支援します。
*食生活と健康で、学校給食の献立を教材として、年齢や運動量に応じた栄養素のバランスや食事の量について専門的な知識を生かした指導を行います。
*家庭や地域など外部との連携を図り、栄養教諭のネットワークを生かして、科学的でわかりやすい資料作成を行います。
オ 食に関する題材を活用する例
*健康は、主体と環境を良好な状態に保つことにより成り立っていること、健康が阻害された状態の一つが疾病であること、疾病は主体の要因と環境の要因とが相互に関わりながら発生することなどについて学習する際、主体の要因として、年齢、性、免疫、遺伝などの素因と、生後に獲得された運動、食事、休養および睡眠を含む生活上のさまざまな習慣や行動などがあることを取り上げることが考えられます。(第1学年)
*感染症は、病原体が環境を通じて主体に感染することで起こる病気であり、適切な対策を講ずることにより感染のリスクを軽減することができることについて学習する際、例えば、ノロウイルスによる感染性胃腸炎などを取り上げたり、感染症の予防に関して、身体の抵抗力を高めるために栄養状態を良好にするなどを取り上げたりすることが考えられます。(第3学年)