メディカルダイエットは医学・科学に基づいたダイエット法と認識されることが多いのですが、ここでいうダイエット(Diet)はやせるという意味ではありません。もともとDietには政策、方針、戦略などの意味があり、そこから転じて正しい方針どおりの生活をすることになり、太っている人の場合にはやせるような食事や運動がダイエットになりました。やせている人の場合には食事と運動によって健康的に太る(体重を増やす)ことであり、不足している栄養素があれば、それを補うこともダイエットの一つの意味となっています。
では、メディカルダイエットでは、太ることもダイエットなのかというと、そうではありません。メディカルダイエットが取り扱っているのは身体の機能を科学する生理学に基づいた代謝へのアプローチで、エネルギー代謝を高めて、そのエネルギーを用いて、全身の機能を調整することを目指しています。発達障害児に対しては、三大エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を効果的にエネルギーとする方法を用いて、そのエネルギーを身体機能や知的機能に使用するために、より多くのエネルギーを作り出す方法を指導しています。
エネルギー代謝は身体を多く動かせば、それぞれの細胞で発生するエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)を増やすことができます。身体を動かすことでATPを多く発生させるには、運動の時間を長くとらなければならないことになりますが、私たちのメディカルダイエットの手法では、運動と食事のタイミング、運動と休養のタイミング、そして食事の休養のタイミングを調整することによって、エネルギー代謝を効果的に高めることができます。
これは無理をすることなく、運動と食事でいえば、どちらを先にするのか、どの食事の前後でするのかということで結果が変わってくるので、それについて詳しく紹介していくこととします。