発達栄養学80 薄味にしてご飯の食べすぎを抑える

1日に食べる食材の中で、ご飯をたくさん食べていた時代には、おかずは魚でも煮物などでも塩味が強いものが多く、みそ汁や漬け物など塩分が強いものが好まれていました。濃い味付けのものがあれば、ご飯はほとんど味がないことから濃い味が薄まることから、ご飯を多く食べることができます。
このようなことから、ご飯の量を減らそうとしても、おかずが濃い味付けだと、どうしても食べすぎることになります。そこで塩分を減らしたおかずを食べるようにして食べすぎないようにしたいところですが、ただ塩分を減らしただけでは、おいしく食べることができなくなります。
おいしい食事は精神的なところが大きくて、満足感がある食事なら少ない量で、おなかが膨らまなくても満足させられます。ところが、おいしくないと感じると量を食べないことには満足できなくなり、ついついおなかを膨らませるように食べてしまうことになります。
減塩してもおいしく食べるためには、味付けに柑橘類の酸味を使う、カツオや昆布、きのこなどの旨味のある出汁(だし)を使う、香味野菜(ミョウガ、ネギ、シソ、セロリなど)や香辛料(唐辛子、わさび、しょうが、からしなど)を使う、焼き味や焦げ味を使うという方法があります。
香辛料は食事をおいしくしたり、料理を長持ちさせたり、食欲を増進させるために使われる調味料で、唐辛子やしょうが、カレー粉には身体を温める作用があって、代謝を高める効果もあります。身体を温めることで血流促進、脂肪代謝の効果はあるものの、食欲が増進されやすいことから食べすぎには注意が必要です。汁物で塩分を摂りすぎるときには、具を多くするという方法もあります。温かい料理は温かい状態(60〜70℃)で、冷たい料理は冷たい状態(5〜12℃)で食べると、塩分が少なくてもおいしく食べることができます。