発達栄養学9 自律神経調整の研究

人間の生活のリズムは自律神経によって整えられています。自律神経は呼吸、血液循環、体温調節、消化、吸収、排泄、内臓の働き、免疫、生殖などの機能をコントロールするために24時間働き続けている神経系です。

昼間や活動しているときに活発に働く交感神経と、夜間やリラックスしているときに活発に働く副交感神経の2種類があって、身体の機能を調整しています。

自律神経の働きは波のような強弱があり、交感神経の働きが盛んになっているときには副交感神経の働きが抑えられ、逆に副交感神経の働きが盛んになっているときには交感神経の働きが抑えられるという関係になっています。

自動車にたとえると、アクセルを踏み込んだときにはブレーキがかかりにくく、ブレーキを踏み込んだときにはアクセルが効きにくくなるのと同じ関係性になっています。

交感神経と副交感神経の波に合わせて日常の社会生活のパターンが決められていて、自律神経の波に合わないことをすると生活に支障が出ることになります。

身体を休めようとしている時間帯に運動をしたり、脳を激しく使おうとしても思った以上の効果が出にくくなります。逆に、身体の活動が盛んなときに身体を休めようとしても思ったよりも疲労が取れないということになります。

このリズムが乱れていると、活動や学習をする昼間の時間帯に集中できない、活動や勉強をすると非常に疲れるということになり、その逆に夕方以降に疲れを回復させようとしても興奮して心身ともに休めないということになってきます。

自律神経は消化、吸収、循環、代謝、排泄という生命を維持していくために欠かせない部分を調整しているだけに、発達障害児に多くみられるように自律神経の調整が乱れていると生きていくための当たり前の機能が低下することにもなります。

逆にいうと、食事に関係する消化、吸収、排泄という胃腸で起こっていることを調整することで、自律神経の働きを整えていくことができるようになります。これが整うことで集中力が高まっていくようになります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕