ミネラルは、いつ摂っても吸収されると思われがちですが、摂取タイミングによって吸収率が異なるものがあります。カルシウムの吸収率は一般には約30%とされています。これは食品に含まれているカルシウムのことですが、サプリメントとして摂ったときにも約30%の吸収率であると説明されています。これは食事をした後に摂った場合のことで、起きがけの空腹時や就寝前に摂ると10%ほども吸収率が高まります。カルシウムはイオン化してから吸収される性質があり、空腹時にはイオン化されやすいものの、食事の後には胃液が消化に使われることからイオンの度合いが低下するからです。
カルシウムはマグネシウムとの組み合わせのほかにビタミンCとの組み合わせによって吸収率が高まります。マグネシウムの吸収率は腸の状態によって30〜50%とされていますが、ビタミンDとの組み合わせによって吸収率が高まります。鉄の吸収率は動物性食品に含まれるヘム鉄は約30%、植物性食品に含まれる非ヘム鉄は約5%とされています。鉄はビタミンCとの組み合わせで吸収率が高まります。亜鉛の吸収率は約30%で、やはりビタミンCとの組み合わせで吸収率が高まります。
このようにミネラルは、他のミネラルやビタミンと一緒に摂ったほうが吸収率は高まり、体内での機能も有効になるということです。これをわかりやすく示す方法として“樽の理論”があげられます。樽理論は、もともとはアミノ酸のバランス摂取を説明するために使われるもので、必要なアミノ酸は組み合わせて摂取することで体内での効率が高まります。これと同様に、ミネラルのサプリメントも組み合わせで摂ることがよいことから、食事のタイミングでの摂取がすすめられます。ただし、カルシウムのサプリメントだけは空腹時摂取がすすめられています。