偏食がみられるのは発達障害に限ったことではありませんが、発達障害の場合には“極端な偏食”と言われるほど食べられないもの、食べられない調理法があり、栄養摂取の偏りが起こりがちです。
好き嫌いがあって、味覚や食感がしっくりとこないために食べにくいというような状況ではなくて、食べられないものは絶対に食べられないということが発達障害ではよくみられることです。
味覚や食感だけであれば、食材の形や味がわかりにくくなる調理法の工夫や、野菜をすり潰したり、ジュースにして混ぜるという工夫で対応することも可能です。ところが、発達障害では味覚や嗅覚が敏感で、これまでと違ったことをすると、すぐに気づかれることもあります。
特に感覚過敏がある場合には、味覚、嗅覚、視覚、聴覚、触覚の五感の反応が過敏すぎることから、これを耐えられない刺激と感じて、食べようとしても喉を通らない、刺激を嫌って食べようともしないということもあります。感覚過敏は、自閉症スペクトラム障害の特徴と考えられてきたこともありますが、他の特性でもみられるようになってきました。
五感の過敏な反応だけでなく、自閉症スペクトラム障害や注意欠陥・多動性障害のために気分や感情のコントロールがうまくいかなくて、食べ物に極端な偏りが生じることもあります。野菜がまったく食べられない、肉が食べられない、牛乳が飲めない、卵が食べられないといったように、健康維持の基本となるビタミン、ミネラル、たんぱく質が摂取できないという子どもも少なくないのです。
このことが子どもの成長にも、生活面でのエネルギー産生にも大きな影響を与えてしまいます。その改善法を知るためには、先に発達障害の食事面での特性と、身体の働きに必要な栄養素の知識が必要となります。そのための講習を、私たちは実施しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕