自律神経は、自分の意思とは無関係に働いて自律的に働きを調整することから、その名がつけられたといいます。交感神経が高まりすぎたときに、意識をすることで副交感神経の働きを高めて、交感神経の働きを抑えることができればよいのですが、そうはいかないものと説明されています。
意識するだけで調整はできなくても、副交感神経の働きを高める方法はあります。その一つはセロトニンの分泌を高めることで、発達障害がある人はセロトニンの分泌が少ない特徴がみられます。セロトニンは神経細胞から次の神経細胞へと情報伝達をする神経伝達物資で、セロトニンが興奮作用のあるドーパミンやアドレナリンの働きを抑えてくれます。
食べたものを分解する消化は、副交感神経によって促進され、交感神経によって抑制されます。セロトニン不足では、消化が進みにくくなるので、その後の吸収にも影響を与えることになります。
興奮状態では、唾液と胃液が分泌されにくく、充分な消化ができなくなるので、ゆったりとした環境で、ゆっくりと食べることが大切になります。少なくとも追い立てられるような状態で食べる、早く食べるように言われるという状態は避けるべきなのですが、そのような状態で掻き込むような食事をしている子どもも少なくありません。
自律神経の大きな波は夕方から朝までは副交感神経が優勢で、昼間の時間帯は交感神経が優勢になっています。朝食のときは、まだ交感神経が高まっていない時間帯なので、リラックス効果によって消化を進めやすくなっています。
夕食の時間帯は副交感神経の働きが高まるといっても、興奮状態が続いていると交感神経が優勢な状態を引きずることになります。食事の前に興奮するような遊び、学習、仕事をしていては、充分に副交感神経の働きを高めて、消化を促進することができないので、食事前の時間の過ごし方も重要になります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕