発達栄養講習29 自律神経による蠕動運動の促進

腸は食べたものが運ばれてくれば、自動的に蠕動(ぜんどう)運動が起こって、先へと運ばれていくわけではありません。小腸も大腸も自律神経の副交感神経の働きによって蠕動運動が盛んになり、交感神経の働きによって蠕動運動が抑えられるようになります。

興奮状態では交感神経の働きが盛んになっていることから、どうしても蠕動運動による運搬が低下するようになります。中でも影響を受けるのは大腸の働きで、朝の時間帯に排泄を促すにはリラックスした状態でいることが大切になります。

食事をしてから排泄をする習慣がある場合には、胃での消化も小腸での吸収も副交感神経の働きによって促進されています。その流れのままに排泄をスムーズにするには排泄の時間帯も副交感神経の働きがよいリラックス状態が続いていることが重要です。

食事時間が短いからといっても急いで食べさせ、その勢いでトイレの排泄をスムーズにしようとしても交感神経の働きが盛んになった状態が続くので、食べた割には出にくいことになります。口から食べ物が入れば、自動的に排泄が行われるという、押し出し式のような仕組みにはなっていないのです。

自律神経の波は朝から徐々に交感神経の働きが盛んになり、副交感神経の働きが抑えられるようになっています。昼間に時間帯の排泄を期待しても、交感神経が盛んな時間帯にはスムーズにはいかないことになります。

順調な排泄のためには、前日の入眠がスムーズで、深い眠りによって副交感神経の働きが盛んになり、まだ副交感神経の働きが盛んな朝のうちに排泄までもっていくことです。この時間帯を逃すと、次に副交感神経の働きが盛んになって排泄しやすい環境になるのは、夕方以降の時間帯となります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕