発達栄養講習34 ダイエットへの関心が子どもに与える影響

子どもの栄養摂取の状態を知るために、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」の結果が参考にされます。これは子どもの現状の栄養状態を知ることと同時に、その子どもが成長して子どもを育てる側の立場になったときに、どのような栄養面での影響が出るのかを知るための基礎資料ともなるからです。

子どもの栄養摂取は、全般的には親の保護下にあるときには充実していて、学校給食を食べているときには家庭の事情があっても給食で栄養が補われるということがあって、中学生までは栄養バランス、摂取量ともに大きな問題はみられないというのが全体的な傾向です。

ところが、給食から離れて高校生になると急に栄養バランスが悪くなり、エネルギー量の過剰で太る子どもが増える一方で、エネルギー量が不足しているためにやせる子どもも増えてきます。

男性の学生(高校生、大学生)の世代では太りすぎが多くなり、30%近くが肥満ということもあるのですが、女性の学生では太りすぎは少なくて、むしろエネルギー量不足による“やせ”の割合が高くなっています。

その女性の傾向は30代まで続き、40代になると男女差がない状態になってきます。これは結婚によって、もしくは恋愛を重視しなくなった世代となり、ダイエットをやめてしまうからではないか、と推定されています。

子どもの栄養調査をすると朝食を食べていない、もしくは極端に朝食の量が少ない家庭があり、その中には母親のダイエットの影響を受けているという例もみられます。現状のダイエットだけでなく、ずっと続けてきた食生活が子どもが生まれてからも変えられずに、子どもの健康面に影響を与えているということも起こっているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕