発達栄養講習37 メディカルダイエットが発達栄養に取り組む理由

日本メディカルダイエット支援機構は、その名のとおり“メディカルダイエット”の研究に取り組み、その成果を広く健康づくりに役立ててほしいとの思いで普及・支援を実施しています。その活動は特定非営利活動法人(NPO法人)として15期目を過ぎて、16期目の初めの日(2023年4月1日)から発達栄養アドバイザーの認定講習を始めます。

発達栄養アドバイザー認定講習を担当する認定講師の養成を始めていて、それが知られるにつれて同じような質問が相次ぐようになっています。その質問が、「発達栄養講習の内容」とか「発達栄養の意味」であればよいのですが、最も多いのは「なぜメディカルダイエットの団体が発達障害の改善に取り組むのか」ということです。

中には「ダイエットと発達障害は関係ないのでは」という質問まで投げかけられることがあるものの、少なくとも私たちがすすめるメディカルダイエットは一般にイメージされる“やせる”というダイエットではありません。身体に備わっているエネルギー代謝のメカニズムを活用して、より多くのエネルギーを作り出すことを第一の目的としています。効率的なエネルギー源は脂肪酸なので、脂肪細胞に蓄積された中性脂肪(脂肪酸が3個結びついたもの)がエネルギー代謝によって減っていくというのは当たり前の結果です。

エネルギー代謝の第二の目的は、全身の細胞の中で作り出されたエネルギーを使って、それぞれの細胞に必要な身体の構成成分やホルモン、神経伝達物質などを効率よく作り出すことです。これが成長にも健康にも関わってきます。

発達障害は脳の発達の凹凸から神経伝達がスムーズにいかず、それが心身ともに大きな影響を与えています。その改善のために身体の成長とともに、神経伝達を盛んにする方法を栄養学的なアプローチで研究しています。

その結果を、食事という、ある意味では家族や自分でも取り組むことができることで、その方法を知り、伝えてほしいという思いで、私たちは発達栄養アドバイザー講習に取り組んでいます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕