発達栄養講習5 発達栄養の特徴

「発達栄養」という言葉は、一部の栄養教育の中で使われていて、栄養学科名に使用している大学もあります。しかし、その内容は通常の栄養学講座に、子どもに関する講習の時間を多くしたものにとどまっています。

食事に大きな問題を抱えている発達障害児の改善に直接的につながるものではなく、発達障害児に関わる学校、医療機関、自治体の関係者への聞き取りの結果、発達障害児に特化した栄養研究と指導が求められていることがわかりました。

これまで発達障害児の食事に対応する発達栄養が進まなかったのは、発達障害の特性が関係しています。同じ子どもに、いくつかのタイプの発達障害があることも珍しくなくて、個人差が非常に大きいという特徴もあります。また、複数の状態が重なり合って現れることもあり、そのために発達障害の状態を明確に分けることが難しく、定型的な答えが導きにくいことがありました。

同じ偏食であっても状態は細かく分かれていて、感覚の振れ幅も非常に大きくなっています。これを私たちは「発達障害ではストライクゾーンが狭く、しかも変化する」と表現しています。前の常識が通じないということは当たり前のように起こっているのです。

少し酸味がある料理を食べてもレモンを丸かじりしたように感じる例もあります。ほとんど気にならないような辛味が唐辛子を丸ごと食べたように感じる例もあります。さまざまな味覚の問題だけでなく、視覚、嗅覚、聴覚、触覚が交じり合い、誰一人として同じ困難さではないということも改善の難しさにつながっています。発達障害の特徴を完全に知り、すべての反応を知って、それぞれの子どもがどのように感じて食べているのか、それが心身に与えている影響についても理解しなければ、実際の対応もできないことになります。

そのすべてを全体的な講習で学ぶことは困難であり、講習では基本から学ぶことになりますが、その基本は応用として活かされる内容とする必要があります。そのためには常に多くの例を調査して、本人や家族の実体験を聞き、考えられる改善法が、どの程度通用しているのかも把握する必要があります。

実際に食事をする発達障害児が、その重要性を理解しなければ、発達栄養が成果をあげにくいことから、子どもを対象とした講習の機会を設けることも必要と考えています。発達障害児の改善のための発達栄養は、発達障害児以外であっても食事に問題を抱える多くの子どもの改善に役立つものです。そこで、食べることの重要性を知る講習は、すべての子どもを支援対象と考えています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕