発達栄養102 緑黄色野菜嫌いの改善

野菜嫌いの子どもは多く、中でも発達障害があると感覚過敏もあって、野菜が食べられないということは少なくありません。一つには野菜の味があって、独特の苦味がある野菜も多く、特に色が濃い緑黄色野菜は味にも特徴があります。

子どもは成長過程では、まずは甘味に対する感覚が鋭くなり、徐々に食べるものを増やしていくと、苦味や渋味、酸味などの感覚を知り、それに慣れていくようになります。ところが感覚過敏では、これらの味が強い刺激になって、どうしても食べられないということが起こります。

そもそも苦味や渋味は有害物の味で、酸味は腐ったものの味です。それでも健康のために、いろいろな食品を食べるために、味わいを感じるためには必要ということで、受け入れるようになっていくものです。ところが、発達障害の感覚過敏では危険を感じさせる味には慣れにくくなっています。

さらに感覚過敏では、味だけでなく、噛むときの刺激、噛むときの音、においなどによって食べられないことも起こります。それが記憶に強く残っていると、見て、視覚を刺激されただけで拒否反応が起こるようにもなります。

葉っぱが嫌いということも多いのですが、どうしても食べられないという子どもに、無理に食べさせようとすると、嫌がることをした保護者のことを嫌いになって、それ以降は味覚などの問題ではなくて、発達障害の特性の感情の高まりで食べられないということにもつながっていきます。

緑黄色野菜によって摂取が期待されているのは、食物繊維と並んで抗酸化成分のカロテンが含まれているからで、これは葉っぱ以外にも含まれています。かぼちゃやにんじんが代表的なもので、これらの食材なら調理法を工夫して食べやすくすることもできます。野菜嫌いから緑色のものが苦手になってしまった子どもには、見た目の変化も大切になります。

淡色野菜は食べられるなら、そちらのほうで食物繊維を摂ることもできます。食べられない食材にこだわることなく、多くの種類の野菜の中から選び、さらに調理法の工夫もして、さまざまな栄養素を摂ることを考えるようにしたいものです。