発達栄養132 乳製品の摂取と腸内環境

健康の維持のために食べるべき食品を並べた標語として有名なものに「まごわやさしい」があります。まは豆、ごはごま、わはワカメ、つまり海藻、やは野菜、さは魚、しはシイタケ、つまりキノコで、いはイモを指しています。

日常の食事では不足しがちなものが多く、呪文のように唱えることで不足を補うことができると言われています。

これだけでは不足する栄養素があるとの考えから、「まごたちわやさしい」という、卵(た)、乳(ち)を加えた言葉も言われるようになりました。たんぱく質が成長期から成人、高齢者まで必要であることから、たんぱく質は肉からではなく、魚と大豆に加えて卵と牛乳からも摂ることがすすめられるようになっています。その標語は「まごたちにわやさしい」と、肉(に)を加えています。

いろいろな食品から満遍なく栄養素を摂るのはよいことであり、成長期の子どもには牛乳・乳製品の摂取がすすめられるのですが、牛乳は味覚、嗅覚、触覚、視覚の問題で飲めないという感覚過敏の子どもも多くいます。これは発達障害がある人だけでなく、好き嫌いの代表ともされていて、過去の記憶のために飲めないという例もあります。

牛乳・乳製品は、動物性たんぱく質のために腸内細菌の悪玉菌の栄養源ではあるものの、それを上回る善玉菌の栄養源も含まれています。それは牛乳・乳製品に含まれている乳糖です。

腸内環境を整えるという発想で、牛乳が飲めない人の困難なところを解明して、味、香り、食感、色などを工夫して摂りやすくすることも大切になります。それは全身の健康づくりにもつながっていくのです。