どうせ学ぶなら全体像を把握して、部分ごとの理解と対応になってほしくはないという発想があると、教えるべきこと、教えたいことを教えるということになりがちです。発達栄養の講習も、伝えるべきことを講習テキストにするとA4サイズで200ページの中身になってしまいます。
短くすることは可能ですが、それでは充分に伝わらず、間違った認識をされることがあります。それでも受講して、重要なポイントを理解できるなら短くしても大丈夫との考えがあります。
しかし、全員が教える側の意図が理解できるとは限らず、全体像を示して各論を伝えないといけないこともあります。全体像だけでも各論だけでも伝えきれないので、読み物のようなテキストになります。読み返してみれば、理解できるという配慮もあります。講師が話し上手とは限らず、印象に残りにくいようなことがあっても読み返せばわかるようにしたいという思いから、文章量が多くなる結果となります。
その一方で、分量が多いだけで圧倒される、学ぶ気が弱まっていくという人がいるのも事実です。そのような人に対応するために別の講習テキストを作るわけにもいかず、仕方がないので多くの分量の中からピックアップして教えるようなことにもなりがちです。
この難点を解決するには、全体像のテキストを、知りたい人の希望に合わせて抜き出して、それぞれの人に合わせた講習テキストに組み立て直すという方法が使われます。
発達栄養も、そのような対応が可能で、知りたいところを学べるようにしてあります。知りたいことを知っただけで終わる人もいるのですが、中には短い講習テキストで着実に知ったことで、もっと知りたいという意欲が湧いてきて、最終的には全体を学ぶことになった人もいます。
モチベーションを高め、それが自分のこと、家族のことだけでなく、社会全体のために役立つことに使ってもらえるようになるのも、「知りたいことだけを教える講習」の利点となっています。