子どもの成長は非常に早く、そのために多くの栄養摂取が必要になります。
身長は、新生児は50cmほどですが、1歳では75cm、4歳では100cmと2倍にも成長します。体重は、新生児は3kgほどで、3か月では6kgと2倍になり、1歳で9kg、4歳で15kgと5倍にもなります。
身長と体重の変化に比べると脳の発育は特に早く、新生児は350〜400gであったところから、乳児期(生後8か月頃)には2倍になり、5〜6歳では1100〜1250gと成人の90%ほどにもなります。
新生児では体重の10%ほどが脳の重量ということですが、成人では2%ほどの重量であることから、いかに脳に多くの栄養素が必要かということです。脳だけでなく、全身に多くのエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)が必要になるだけに、身体が小さいから、それに合わせた摂取量ではいけないことは明らかです。しかし、いまだに体重で判断する保護者も少なくありません。
人間の脳は10代後半に完成すると考えられていますが、最も成長するのは4〜6歳のときで、そのときに栄養が不足すると充分に能力を発揮することができなくなります。発達障害の改善のための脳のトレーニングは、感覚統合療法をはじめとして就学前の時期に実施しないと効果が上がりにくいとされるのは、脳の急速な発育の時期にアプローチをする必要があります。
また、発達障害は3歳児検診で明らかになることが多く、その段階で脳機能を向上させることに取り組むためには、3歳になってから積極的な栄養摂取をしても間に合わないこともあります。
どのような状態であっても充分な栄養摂取は重要で、たんぱく質、脂質、そして脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が含まれた糖質、エネルギー化に必要なビタミンとミネラルも充分に摂っておく必要があるということです。