骨の健康度を示すデータとして一般に活用されているのは骨密度です。骨密度というと、これが低下するために起こる骨粗鬆症が知られていることから、高齢者に関わるものであり、少なくとも子どもの健康度を判定するデータとは思われていないところがあります。
しかし、骨密度の高さは子どもから始まる一生涯の健康に関わるもので、そのことは骨密度のピークを知ることで理解できます。
骨密度のピークは男女差があり、男性は20歳ころにピークになるのに対して、女性は18歳ころにピークを迎えます。最大骨量に達した後は40歳代半ばまではほぼ横ばいで、50歳をすぎると減少が始まります。
このことから、骨密度はカルシウムの摂取などの食事面では親の食事のせいだと言えます。
骨密度は骨に刺激が与えられるほど骨芽細胞も働きが活性化して、丈夫になっていきます。骨に刺激を与えるような運動習慣が骨密度を高めていくので、その面では骨密度は本人のせいとも言えます。
女性の場合は閉経を機に骨密度は急速に低下していき、60歳を過ぎると骨粗鬆症のリスクが高い状態になります。男性は80歳までは骨粗鬆症のリスクは低くなっていますが、それは元から男性は骨密度が高く、骨密度が高いほど骨粗鬆症になりにくいことが関係しています。
食事によるカルシウムの摂取量は、親の管理のもとに食事をしている子どものときには充分な摂取量が保たれているものの、一人暮らしを始めると低下しやすいだけに、カルシウム摂取の重要性を教えるのは、親の務めであると言えます。