発達栄養33 たんぱく源を重視した食べるべき食品

食べるべき食品を列記した「まごわやさしい」に続いて、最近では「まごたちわやさしい」と、卵(た)、乳(ち)を加えた言葉も言われるようになりました。たんぱく質が成長期の子どもだけでなく、高齢者の健康にも必要であることから、たんぱく質は肉からではなく、魚と大豆に加えて卵と牛乳からも摂ることがすすめられるようになっています。さらに「まごたちにわやさしい」と肉も増やすことがすすめられる場合もありますが、肉の飽和脂肪酸は摂りすぎないようにします。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」には、三大エネルギー源(たんぱく質、脂質、糖質)の理想的な摂取バランスが掲載されています。
これはたんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、糖質(Carbohydrate)の頭文字をとってPFCバランス(比率)と呼ばれています。理想的な摂取バランスは、たんぱく質が13〜20%、脂質が20〜30%、糖質が50〜65%とされています。
糖質が多いように感じるかもしれませんが、1gあたりのエネルギー量は、たんぱく質と糖質が約4kcal、脂質が約9kcalと、脂質と比べるとエネルギー量が少ないことから、見た目の分量は多めになっています。
脂質は2010年版までは20〜25%とされていました。これはエネルギー量が多い脂質の量が増やされたということではありません。脂質は動物性食品に含まれる飽和脂肪酸と、植物性食品と魚に含まれる不飽和脂肪酸に分けられます。飽和脂肪酸は動脈硬化のリスクを高め、不飽和脂肪酸はリスクを低下させることが知られています。2015年版からは脂質の摂取量を増やす代わりに、飽和脂肪酸の割合を7%以下にすることが示されて、できるだけ不飽和脂肪酸を多く摂ることがすすめられています。